QDT2015年7月
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即戦力になるための初心者向け3Shape CADマニュアル 前編■陶材築盛層(=外形からのカットバック量)は、確保できる場合は1.2mmとする(ケースによって築盛層は異なるが、弊社で使用している陶材のメーカー推奨値が通常1.2mm、前歯切縁部で1.5mmである)■前歯部の最小フレーム厚みは0.4mm(メーカー保証規定値)■臼歯部の最小フレーム厚みは0.5mm(メーカー保証規定値)フレーム最少厚さ:0.4mmフレーム最少厚さ:0.5mm理想的な陶材築盛層:1.2mm理想的な陶材築盛層:1.2mmCADでデザインする上で守らなければならない基本事項図1に示す。これに関しては、ジルコニアや前装する陶材の種類などによって多少の数値が異なったとしても、厳守しなければならない基本事項である。そのうえで、ラボによって独自の基準を設定するか否かというのはさまざまであると思われるが、弊社ではこの独自の基準として「多少の調整で築盛に移行できるフレームデザイン」を掲げている。 「多少の調整で築盛に移行できるフレームデザイン」とはどういうことか。弊社では、ポーセレン担当者から「後で調整するから少し大きくしておいて」と指示されることが比較的多い部位について、後にポーセレン担当者が自分の好みで調整できる部分(調整代)を付けている。ジルコニアフレームは、調整代があれば築盛前に削合して調整することができるが、調整代がない場合、咬合状態によってはその部分のポーセレンがチッピングしたり、最悪はフレーム破折などの補償にかかわるトラブルが発生する危険性が出てくる。担当者はそれを危惧しているのだ。また、それ以外の歯冠形態にかかわる部位についても調整代が必要である。実際に模型上で咬合状態や滑走状況などを見ながらでないと最終的なフレーム調整はできないので、そのための調整代を残しているのである。そのポイントは大きく次ページ以降の5点にまとめられる。 また、その他の注意事項として、CAD上でデザインを進めていく際にマウスのクリック数が多いと、それだけデータが重くなり、大きいブリッジなどでは操作が鈍くなる。それにより余計に時間が掛かってしまうことがあるので、なるべく最短で仕上げられるようにすることが大事である。データが重いとミリングの際にエラーが生じる可能性も上がる。 図1 CADでフレームデザインする上での基本事項。79QDT Vol.40/2015 July page0991

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