QDT8月
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日本における小児を中心としたう蝕は確実に減少傾向にある。われわれの診療も、切削・修復治療中心であったこれまでのう蝕治療から、進行のコントロール・修復治療の回避による“う蝕管理”へと軸足を移しつつある。そのような時代を象徴する診査機器のひとつが、一昨年発売された画像検査装置「KaVoダイアグノカム」(KaVo Dental Systems GmbH,カボデンタルシステムズジャパン)である。本装置は、とくに肉眼では発見しにくい早期のう蝕をエックス線を使用しないで視覚化できる優れた特徴をもっている。本稿は、筆者の臨床知識・使用経験に基づいて、う蝕学の観点から本機の解説を行っていくものである(図1)。①本装置の構造 KaVoダイアグノカムは近赤外線を利用して歯質の脱灰およびう窩を画像により検出(Detection)する検査装置である。 本製品は、本体と専用のパソコン(以下、PCと略)ソフトウェアから構成されている。本体はペン型カメはじめに1.本装置の紹介本稿の内容1.本装置の紹介2.う蝕学から見た本装置の意義3.筆者の医院での活用法4.症例から見た本装置の有意性図1 本稿で示す内容。図2 「KaVoダイアグノカム」(KaVo Dental Systems GmbH,カボデンタルシステムズジャパン)の外観。ラ様のハンドピース部と2.5mのUSBケーブルからなる(図2)。さらに口腔内に挿入する部分の外側はカバーとして着脱でき、オートクレーブ滅菌も可能である。シリコーン製のカバーの先端は二股に分かれており、撮影時は二股部で歯牙を挟みこむようにする。すると両脇から発せられた近赤外線が歯槽突起部から内■装置の外観

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