QDT 2015年10月
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Initial MCを用いたmetal ceramics CAD/CAMが日本で臨床応用されるようになって、およそ15年が経とうとしている。当初はアルミナしか加工することができず、強度不足もあってCAD/CAMにおけるオールセラミックスは限られたケースにしか応用されていなかった。しかし、CAD/CAMテクノロジーやマテリアルは急速に進歩しており、ジルコニアが加工できるようになったあたりからは強度的な問題が解消されて連結本数も増加し、適応範囲はかなり広がった。同時に、適合も当初とは比較にならないほど良好になった。さらにCAD/CAM以外でも、シリカ系の強化型プレスセラミックスが開発されて臨床に定着している。レジンセメントの接着技術の進歩もあり、まさにオールセラミックスの時代になろうとしている。 しかし、ではメタルセラミックスの数が極端に少なくなっているのかというと、現状、そう極端に少なくなっているわけではなさそうである。もちろん金属価格の高騰もあり、プレシャスメタルからセミプレシャスメタル、セミプレシャスメタルからノンプレシャスメタルといったメタルフレーム材料の変化はあるが、メタルセラミックス自体がなくなったわけではない。完全にオールセラミックスに移行しない理由のひとつには、メタルセラミックス用ポーセレンの長い実績(強度等)も挙げられるのではないだろうか。 今回は、ジーシーのメタルセラミックス用陶材であるInitial MC用オペーク陶材がリニューアルされ、またCST(クロマシェードトランスルーセント)が追加発売されたので、それらを用いたメタルセラミックスの有効性を再検証してみたいと思う。75QDT Vol.40/2015 October page1473

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