QDT 2015年11月
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座談会:歯科医師・歯科技工士で協働する要介護高齢者の補綴治療(前)3939編集部:先生方、本日はよろしくお願いいたします。さて、昨今の歯科界では超高齢社会の進展を受け、多職種連携や歯科医師の立場からの全身状態・病態の把握といったテーマが重視されるようになってきたのはご存知のとおりです。雑誌の立場としましても、とくに総合誌や歯科衛生士向けの雑誌ではこういった視点をさまざまに取り入れておりますが、私ども「QDT」では補綴・修復治療、その中でも患者さんご自身が歩いて来院された上で受けるような治療について取り上げる機会が未だに多く、誌面をより時宜に即したものにするために検討を重ねてまいりました。 しかしこうした中、要介護高齢者の歯科診療においては既存の補綴物の調整や修理を求められる機会が非常に多く、そこには歯科医師と歯科技工士のチームワークが必須という声も聞こえてまいります。そこで今回は、要介護高齢者の歯科治療における歯科医師・歯科技工士の協働に関する発表を多く行っている藤沢市歯科医師会の歯科医師と、パートナーの歯科技工士の皆様をお迎えし、どのようなコミュニケーションを図りながら患者さんに貢献しておられるのかについてディスカッションしていただければ幸いです。 それではまず、それぞれの先生方がなぜ今のように訪問診療、あるいは要介護高齢者の歯科治療に取り組まれるようになったのかについてお聞かせ願えますでしょうか。渡辺:私が訪問に出るようになったのは、歯科医師会に入会したところ、鈴木先生が「診療所ばかりにいないで、外に出てみよう」というお話をくださり、訪問診療に同行してくれたのがきっかけです。また、私は卒後すぐ病院歯科に勤務し、その間病棟で勤務していたのも有病者を強く意識するきっかけになりました。それで、訪問診療に抵抗なく出られ、訪問を好きになりました。和田:私が訪問診療をするようになったきっかけは、1993年 ‌‌神奈川歯科大学附属歯科技工士専門学校卒業1995年 ‌‌同、専攻科卒業、有限会社フラワー・デンタル・ラボ入社2001年 ‌‌神奈川歯科大学附属歯科技工士専門学校非常勤講師(2007年3月まで)2007年 ‌‌株式会社横浜歯研入社2011年 ‌‌藤沢市保健医療センター/‌藤沢市北部診療所在籍出向神奈川県歯科技工士会会員、日本老年歯科医学会会員武田 悟1999年 ‌共生会歯科技工専門学校卒業、シュアーデンタルラボラトリー入社、株式会社横浜歯研入社2009年 ‌藤沢市保健医療センター/藤沢市北部診療所在籍出向神奈川県歯科技工士会会員、日本老年歯科医学会会員木藤博之1984年 ‌東京歯科大学卒業、東京歯科大学補綴第一講座助手1989年 ‌鈴木デンタルクリニック開設1995年 ‌藤沢市心身障害児者歯科診療所医局員1999年 ‌介護支援専門員 藤沢市介護認定審査会委員2002年 ‌藤沢市北部歯科診療所医局員‌(要介護高齢者歯科診療)日本障害者歯科学会認定医、日本老年歯科医学会指導医鈴木聡行はじめに:きっかけは、歯科医師会の事業からQDT Vol.40/2015 November page1587

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