QDT 2015年11月
6/8
レジン材料の進化と歯科での応用―高強度レジンPEEK、PEKK、そしてPekkton― 近年、歯科材料としてさまざまな素材が出現し、改良が進んでいる。ジルコニアにおいては、より透過性に優れたもの(図1)やさらに高強度なものが各メーカーから発売され、メタルでは安価なコバルトクロム合金フレーム(図2)、そしてそれらさまざまな素材に対応するポーセレン等も開発されている。その中でレジン系材料に注目すると、ハイブリッドレジン等の歯冠材料はあったが、レジン系のフレームというものは長らく登場してこなかった。だがここにきて、レジン系の材料で生体骨に近い物性をもつPEEK材の歯科分野での応用に注目が集まりつつある。 本稿では、このフレーム用レジン材料であるPEEK材、そしてより強化された材料であるPEKKについて解説していきたい。図1 表面ステインのみで仕上げたハイトランスジルコニア。図2 生体親和性、高強度をもちあわせたコバルトクロム合金フレーム。79QDT Vol.40/2015 November page1627
元のページ