QDT 2015年12月
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Next Generation 10周年記念特別企画:前編Remember Next Generation20代前半で患者と話し、口腔内を観察できたこと経験が自分のベースになっている Next Generationに投稿したときのタイトルは、「自然な形態を目指したメタルセラミックス」。今でもそうなのですが、真似をするものがない状況の中で、自然な形態をどうやって再現・表現していくのかという部分を考えて、さまざまなことを試していました。この症例は、そんな中で自分としては形態がうまくいったかなと思うケースでした。ですが、細かいステップ写真なども撮影していませんし、ファイナルも、今見るとひどいところだらけだなと思います。 製作環境としても、ラボが狭くてファーネスも置けなかったために毎回20mくらい歩いてもっていったり、パソコンももっていなかったので、家でプリントアウトして写真を見ながらやるか、小さい画面で製作するという感じでした。しかし当時はそんなことはどうでもよくて、患者と話をしたり、シェードテイクからセットまで全部見られるということのほうがとにかく貴重でした。20代初めのこの時期に、こういった環境で仕事ができたことが非常に良い経験になっていると思います。―QDT 2007年1月号から―NEXT GENERATION新鋭歯科技工士傑作集湯浅直人:近藤歯科神奈川県川崎市多摩区登戸2043小田急マルシェⅡ3F2004年 東邦歯科医療専門学校専攻科卒業■症例:担当医師・近藤忠雄、岡田 洋(近藤歯科) 患者は30代女性。歯牙破折により当院に来院。歯科医師・患者と協議の結果、唇側に若干張り出し、捻転した両側中切歯を修復することとした。そこで根管治療後、11をメタルセラミックスにて修復した。 製作にあたっては表面性状や艶を含めた形態を特に意識し、日ごろ観察・模倣している天然歯の中から、患者の歯列に溶け込むような中切歯をイメージし、表現することに努めた(使用陶材:ノリタケスーパーポーセレンAAA)。自然な形態を目ざしたメタルセラミックス:湯浅直人Before treatmentImageOn the model

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