QDT 2016年2月
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25 「僕の鼻は彼のよりも高い!」これは本当だろうか? 近年、歯科医療でもデジタル化が進み、客観的数字により判断することができるようになった。図1に、筆者の顔を用いたデジタル三次元形状の原理を示す。本法は、多数の探針を顔面に接触させることで立体形状を表現できるものであり、探針の水平的な位置がそれぞれX座標とY座標、そして探針が押されて移動した高さをZ座標として、位置座標データが得られる。こ1.表面形状の見えかたによる分類①点群データ XYZの位置座標を記録した物体表面上の点の集まりを点群という。この点群で構成されたデータの密度が多いほど精度も向上するが、緻密で大量のデータを取得するために時間を要する(図2)。②ポリゴン 点と点を線でつなげた微小な三角形などの平面を、れらの探針1本ごとの先端が示すXYZ値の集合が、デジタル三次元形状データである。 技術は日進月歩であり、それぞれの手法も重なる部分があるため、厳密に三次元形状の測定方法を分類することは、難しいと考える。しかし今回は特徴を知っていただくために、歯科用を中心とした分類を行い、個々の方法について説明させていただく。多数組み合わせて作られた三次元モデルをポリゴンモデルという(図3)。このポリゴンを保存するファイルフォーマットとしてSTLが汎用されている。③自由曲面 点群データやポリゴンデータに対して「均等間引き」や「外れ値の削除」を行ってノイズの低減をした後、NURBSなどの数学的計算式により新たに作成したなだらかな曲面を自由曲面という。見た目は向上するが、精度が向上するとは限らない(図4)。はじめにⅠ.三次元データとは■デジタル三次元形状の原理図1 デジタル三次元形状の原理。探針の水平的な位置がそれぞれX座標とY座標、そして探針が押されて移動した高さをZ座標として、位置座標データが得られる。これらの探針1本ごとの先端が示すXYZ値が、デジタル三次元形状データである。QDT Vol.41/2016 February page 0199
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