QDT 2016年5月
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対談:チェアサイドCAD/CAMインレーの長期症例から考える、長期維持のためのファクター(後)15154各種ブロックの選択について図1a~c メタルインレー・アンレーが浮き上がった症例。とくに保険診療で用いられるメタルはエナメル質との挙動が大きく異なるため、結果として二次う蝕となる場合が多い。図2a、b ハイブリッドレジンの10年経過症例。メタルインレー・アンレーが浮き上がった症例(小池)ハイブリッドレジンインレーの10年経過症例(小池)●ハイブリッドレジンブロックをどう考えるか?小池:前半以来、VITA MarkⅡブロック(以下、MarkⅡ)の優位性についてはたびたび触れられてきました。歯科界にはこれまでにもさまざまな歯冠修復材料が存在しましたが、メタル、とくに保険診療で用いられるものはエナメル質との挙動が違いすぎる(図1)ために浮き上がりが起きて、結局は二次う蝕になってしまうという問題点がありました。こうした中、CERECシステムで加工されたMarkⅡをはじめとするマシナブルセラミックスは適合に問題がない上に、長期的な口腔内での挙動についても安定しています。 また、最近では保険診療でのCAD/CAM冠をはじめ、ハイブリッドレジンブロックが応用される機会も増えてきていますが、保険適応以前から使用してきた経験からすると、4年目あたりから光沢が低下したり、マージンに褐線が出てきたりする場合が多いように感じています。一方、セラミックブロックで製作したインレーでは8年、10年と大きな問題なく経過する場合が多いのが実感です。中村:具体的な年数についてはともかく、セメントラインが目立ちやすくなるのはたしかですね。小池:図2に、ハイブリッドレジンインレーの10年経過症例を示します。撮影に用いたカメラが変わったせcbbaaQDT Vol.41/2016 May page 0599
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