QDT 2017年6月
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7878はじめに 前編では、欠損部位にパーシャルデンチャーが装着されて歯列の連続性が回復された状態から、トップダウンで鉤歯に軸壁やレストの設定を行うという、“サベイドクラウン製作時には、おおよそパーシャルデンチャーのデザインが固まっていなければならない”という考えを述べた。チェアサイドとラボサイドの連携のうえで、上下顎歯列単位で導かれた補綴計画を具現化するためには、ラボサイドにおいてもクラウンテクニシャンとデンチャーテクニシャンの濃密な情報交換が必要である。サベイドクラウンを製作するのはクラウンテクニシャンであるが、その際にはデンチャーテクニシャンが軸壁やレストのカットバックを行うべきで、必ずサベヤーを使用して正しい着脱方向を考慮した軸壁の設定をしなければ鉤歯として機能しないのである。ラボサイドで歯科医師からサベイドクラウンのオーダーを受けた際は、歯科医師を中心にデンチャーテクニシャンとクラウンテクニシャンが密な連携をとる必要があるということである。 専門性の異なるテクニシャン同士の密な連携は、“お互いの領域を知る”ところから始まると筆者は考える。たとえば歯列単位で導かれた最終補綴物の設計が決定したあと、チェアサイドでサベイドクラウンとなる残存歯に支台歯形成をして印象採得を行うが、この時点で適切なレストや軸面形成を行えるクリアランスが存Feature article #2サベイドクラウンテクニシャンのための小山邦宏株式会社デンタラディア大阪府高槻市真上町1-13-11 木村ビル2FQDT Vol.42/2017 June page 0928

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