QDT 2017年6月
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筆者は昨年より銀座深水歯科総義歯臨床実技コースにおいて、深水皓三先生のもとチェアサイドインストラクターとして参加している。そのコースは、治療用義歯を用いて機能義歯を製作する過程を学ぶ土日コースであり、深水先生と歯科技工士の堤 嵩詞氏(PTDLABO)が、患者の協力のもと5ヵ月の間に1つの総義歯を完成させるものである(図1)。 チェアサイドでは深水先生が長期にわたり加藤吉昭先生より学ばれた「ダイナミック印象法」と桜井唯次先生の「桜井式無痛デンチャー調整法」の手法を少しずつ変えられて、現在の治療用義歯を用いた機能義歯製作法を確立された。ラボサイドでは堤氏が、スイスZurich大学Gysi教授の孫弟子であるGerber教授専属歯科技工士のMax Bosshart先生に師事し、日本人である患者の骨格・食形態・咀嚼習慣等を考慮した中にGerber theoryの要素を取り入れた総義歯製作法を行っている。 昨年9月19~21日に「Max Bosshartスペイン研修 総義歯ドクターコース」がスタディグループかたつむり(須山譲氏氏、生田龍平氏)の主催により開催され、Bosshart先生とMaria Jesus Provedo Aramendía先生(補綴医、マドリード開業)より直接、総義歯製作における実技指導と講義を受ける機会を得ることができた(図2)。 今回、深水先生、堤氏、Bosshart先生より学んだことを踏まえ、須山氏(DENTAL OF YU)とともに総義歯製作を行った。その特徴は、治療用義歯にて咀嚼粘膜における接着維持(以下、基礎維持1と記す)五十嵐尚美Naomi Igarashi歯科医師:いがらし歯科医院イーストクリニック栃木県宇都宮市平松本町1125-6特別寄稿「Max Bosshartスペイン研修総義歯ドクターコース」より学んだ総義歯製作法とその応用■ はじめに ■104QDT Vol.42/2017 June page 0954
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