QDT2020年9月号
6/9

65よりシンプルにモノリシックジルコニアクラウンを製作するために製作経験が浅い時期のモノリシックジルコニアクラウン。口腔内に装着はされたが違和感も覚えたのかもしれないが、この違和感が生じる原因を特定せずに放置していてはクオリティが安定せずに、いつ再製作になってもおかしくない。筆者自身は、こういった経験からノウハウを蓄え、自分なりの考え方を確立してある程度クオリティを安定させることができるようになった。 しかし、前述したようにモノリシックジルコニアクラウンはラボ内の比較的経験の浅いスタッフが担当することが多い補綴装置である。特に筆者はラボを開業してから2年目であり、スタッフの経験年数も新卒から3年目まで、全員が筆者のラボに勤務するまでセラミックは未経験という状態であった。もちろん1人の歯科技工士として「経験と感覚」を養うことは非常に大切である。しかし、経験の浅いスタッフにも活躍してもらい、ラボとしての補綴装置のクオリティを安定させるためには、なるべくその「経験と感覚」に左右されない、できる限りシステマティックな手法をラボ内で確立する必要があると考えている。 筆者は以上の観点から、「ジルコニアの選択」と「ステインによる明度のコントロール」の2つに焦点を絞り、経験の浅いスタッフも含めてラボとして安定したモノリシックジルコニアクラウンを製作するためのシステムを確立・実践している。今回はその手法を紹介させていただきたい。図1a、b 筆者自身がモノリシックジルコニアクラウンの製作経験が浅い時期に製作した₆のクラウン。再製作にはならずに口腔内に装着されたものの、違和感を覚えた。この違和感が生じる原因を特定せずに放置していてはクオリティが安定せずに、いつ再製作になってもおかしくないと考えていた。abQDT Vol.45/2020 September page 1187

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る