QDT2021年7月号
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37第7回 デジタル機器で臨床をより充実させる(Smile Design、Patient Specic Motionを中心に)54ケースプレゼンテーション症例の概要 患者は55歳男性。₁の補綴装置脱離を主訴に来院した(図1~3)。患歯は歯根破折を起こしており、さらに隣在歯は根尖病巣を併発していた。 そこで隣在歯は根管治療と支台築造を行い、₁は矯正的挺出(図4)を行った後に抜歯し、その際に結合組織移植を併用してリッジプリザベーションを行った(図5)。 それらのイニシャルトリートメント終了後、改めて患者と相談したところ以前より隣在歯の変色が気になっていたことがわかった。そこで今回は、患者のスマイル時に目立つ₅~₅の10歯に補綴治療を行い、審美性改善を行う治療計画を立てた。治療のプロセス1)チェアサイド ①:スマイルデザイン 本症例のように上顎前歯部を補綴する際は、患者の顔貌に調和した上顎切歯の位置(Incisal Edge Position)を入念に検討する必要がある。また患者の審美的要求が高い場合はとくに、形態や色調などの希望をあらかじめ事細かに聞くことが肝要である。 その際、筆者(木村)はSmile DesignというTRIOS独自のアプリケーションを積極的に用いることにしている。スマイル時の顔貌写真をTRIOS内に転送し、画面上で歯冠形態や色調などをデザインすることで患者の希望を具体的に確認する(図6、7)。慣れれば、ものの2、3分でシミュレーションは完成するため、診療時間を圧迫することなく患者と入念なディスカッションができる。そして検討した結果をラボサイドにデータで伝達する。図1 初診時正面観。₁は歯根破折を起こしている。図2 初診時スマイル写真。審美的改善が必要である。図3 隣在歯修復装置が不適合であり、根尖病変を併発している。図4 根管治療完了後に、₁に対して矯正的挺出を行う。図5 抜歯時に結合組織移植を併用し顎堤保存を行う。QDT Vol.46/2021 July page 0805

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