QDT 2021年12月号
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QDT Vol.46/2021 December page 1415Chair SideLabo Side Chair SideLabo Side 図1 現状において、IOSを導入していない歯科医院からジルコニアを用いた補綴装置を発注した場合、クリニックのチェアサイド側はすべてアナログ対応であるが、ラボサイドでは工程の8割以上がデジタル化していると言える。図2 一方でIOSを導入しているクリニックでは、もちろん支台歯形成など歯科医師による治療ステージは変わらないが、スキャンしたデータを直接ラボに送信できるので、ラボにおけるモデルスキャンの必要はなく、直接データから設計に移ることができる。この流れは作業工程における誤差をなくすだけでなく、通法のシリコーン印象の場合に生じる印象材、石膏模型という医療廃棄物をなくすことができる。われわれ医療者はエコロジーと社会貢献の観点にも積極的に目を向けなければならない。印象採得石膏模型モデル スキャナーデジタル光学印象採得モデル スキャナーアナログ設計(ソフト)ミリングデジタル設計(ソフト)ミリングデジタル納品・セット焼成・完成アナログ納品・セット焼成・完成49 現状における流れ(IOSを導入していない) 現状における流れ(IOSを導入している)第12回(最終回) 天然歯・インプラントのコンビネーションにおけるデジタルワークフロー歯科治療のデジタル化歯科治療のデジタル化ケースプレゼンテーションはない。もうそこまできているデジタル化の波を受け入れる準備をすべき時がきたと言える1、2(図1、2)。 従来の補綴・修復治療でジルコニアを選択した場合には、印象採得の上で製作した石膏模型を歯科技工所に送り、その模型を歯科技工所がスキャンするという流れで補綴・修復装置の製作が行われてきた。しか本稿ではその一例として、上顎右側のインプラントおよび天然歯のコンビネーション症例を提示したい。し、この手法では歯科技工所がデジタル化しているとはいえ、従来から生じてきた理論的誤差は変わらない(図3、4)。 今回のケースでは、完成までのステップにおいて、

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