QDT 2021年12月号
8/9

Kommunikation mit einem Zahnarzt nach dem digitalen DesignQDT Vol.46/2021 December page 1464 デジタルモデリングとは、スキャンしたデータから立体のオブジェクトを製作するプロセスのことを指す。一般的にこのプロセスは、プロトタイプの作成のために工業界でも幅広く使用されている。その後の展開として、3Dプリンターやミリング機器により加工が可能となる。以下、その作業工程を示す。①石膏模型を技工用スキャナーにて、咬合器、上下模型、支台歯、ワックスアップ模型(モックアップも可)の順でスキャンを行う。②CADソフト(筆者はexocadを使用)にて、①でスキャンしたデータをまとめてマッチングをする(自動設定とマニュアル設定)。③支台歯のマージンの決定、セメントスペーサーやマージンエッジの形態など細かな設定をする。④オートマチックに既製の歯冠データが画面上に現れる。それをワックスアップのデータと合わせて任意の位置に確定する。⑤任意の位置で合わせた既製の歯冠データに対し、モデリング用のツールバーを用いて歯冠形態をカスタマイズしていく。⑥⑤の後には連結部の設定が来る。基本的には任意でリテーナーとポンティックの連結範囲を決定する。デジタルモデリング後の歯科医師とのコミュニケーション これがデジタルモデリングの流れとなる。ステップ③を例にとると、歯科技工士が歯科医師に対してマージンの設定変更を要望する時にスクリーンショットを撮り、歯科医師の判断に従う。筆者の場合、Zoomなどを用いてライブでお互い画面を見ながら修正する。これもデジタルの利点と考える。 また、新たな問題提起として、現在市販されているジルコニアディスクにはジルコニア混合組成積層型のマルチレイヤーディスクなどもある。フレーム(修復装置)本体をCAM機にセッティングする時のマルチレイヤーディスクの位置によっても曲げ強度が変化する。その工程の保存の重要性も説いていく。2-2-1 前回、ワックスアップは最終形態を創造するためのシミュレーション・トレーニングであると例えた。石膏模型と歯科用モデリングワックスにインスツルメント、そして、トーチかエレクトロニック・インスツルメントの器具さえあれば始められる。これらの器具や材料は通常の歯科技工所では必ず存在するものである。審美にかかわるRBFDPsの作業工程にてこのワックスアップをせず、コンピューター上でいきなり図1-1 画面右端のタスクバーの上から3番目の「Werkzeuge」(ツール)をクリックすると左脇にバナーが出現する。その一覧の上から3番目の「Screenshot」(スクリーンショット)をクリックすると簡単に患者のフォルダーに保存できる。98図1-2 スクリーンショットのアイコンをクリックすると、保存場所のサーフェスが現れる。基本的に同じ患者のフォルダーが開くが、違うフォルダーに保存したい時はこの画面から保存先を指定すればよい。図1-3 すべての模型を技工用CADスキャナーにてデジタル化させることから、コミュニケーションが始まる。設計段階での変更は容易であるが、完成後では修正箇所の範囲も限られる。デジタルの利点を最大限に利用すべきである。RBFDPs カンチレバー接着ブリッジ成功のためのワンポイントアドバイスはじめに■デジタルモデリング後の歯科医師とのコミュニケーション

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る