現代の歯科審美修復においては、前回提示したPerceptionに関する研究から得られたスマイルの各構成要素の基準を参考に診断を行い、まずはIdeal(理想的)を目標に治療計画を立案する。そのためには、上顎中切歯の左右対称を原則として治療計画を進めること、そして歯肉縁形態の左右対称も求めていく①歯肉縁下マージン 補綴装置のマージンの設定位置については歯肉縁を境にして、歯肉縁上あるいは歯肉縁1-3、歯肉縁下のどこに設定するかについては以前から論じられてきことにもなるであろう。とくに左右中切歯間の歯肉縁形態の左右対称を得るためには、さまざまなことに対する配慮が必要になる。今回は、上顎中切歯の天然歯修復に限局して、その中でも、とくに重要と考えられる項目について、文献的考察をもとに詳述していく。た。歯周組織の健康維持には歯肉縁上マージンが望ましい4。しかし、歯科審美修復における補綴装置のマージンの位置は、一部のポーセレンラミネートベニアを除くほとんどの場合、歯肉縁下に設定される5。24QDT Vol.47/2022 February page 0166Hiroyuki KibayashiMakoto Morita*1歯科医師:きばやし歯科医院京都府長岡京市開田1丁目21-21*2歯科技工士:oral design KYOTO京都府長岡京市開田1丁目21-24はじめに1.支台歯形成Feature article #1第2回:エビデンスに裏付けられた天然歯歯科審美修復木林博之*1 森田 誠*2 Periodontal Tissue補綴装置と歯周組織の接点The interface of Restorations and
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