-gain, reduction, movement-*1歯科医師:大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能再建学講座 クラウンブリッジ補綴学分野大阪府吹田市山田丘1-8Feature article #124QDT Vol.47/2022 April page 0442る。“reduction”としては主に外科的歯冠長延長術を、“movement”については補綴前処置としての矯正歯科治療を紹介する。実際の臨床では上記の3つの処置を複合して実施することが多く、前編の症例1においても“gain”、“reduction”の両方の処置を実施している。本稿の最後には“gain、reduction、movement”のすべてを実施し、審美性および清掃性が改善された症例を供覧させていただく。つ歯頚線を根尖側に移動させることができる。ただし、外科処置であるため、重度な全身疾患の既往がある患者には適用できない。後編のはじめに1.歯冠長延長術後編:補綴前処置としての歯冠長延長術および矯正歯科治療髙岡亮太Ryota Takaoka 理想的なGingival marginがある以上、それよりも歯冠側にあれば歯根側に、歯根側にあれば歯冠側へと整えることが望ましい。その方法には“gain(足す処置)”、“reduction(減らす処置)”、“movement(動かす処置)”があり、前編では“gain(足す処置)”について解説した。 今回の後編では“reduction(減らす処置)”、“movement(動かす処置)”に関連する治療について紹介す 減らす処置の代表的なものとして外科的歯冠長延長術がある。本手術においては歯肉切除と、必要に応じて歯槽骨の削合を行うことにより、歯冠長を延長しかGingival esthetics
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