QDT 2022年4月号
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b図2 ボトックス注射の施術イメージ図。図3a、b リップリポジショニング手術の施術イメージ図。歯槽粘膜を切除し(a)、縫aGingival esthetics 後編:補綴前処置としての歯冠長延長術および矯正歯科治療25QDT Vol.47/2022 April page 0443図1 ガミースマイルの原因と各種治療法の適応について示す。合により口唇の付着位置を変化させる(b)。1)歯冠長延長術の適応症2)ガミースマイルに対する歯冠長延長術およびその他の治療法上顎骨の過成長骨切り術+矯正歯科治療 主な適応症例は、①ガミースマイル(症例7、8)、②隣接歯と比較して歯頚線が歯冠側寄りにあるケース(前編の症例1)、③う蝕や破折が原因でフェルールを獲得する必要があるケース(症例10)、である。 その中で、①のガミースマイルの原因は多種多様であり、治療法には歯冠長延長術を含め多数の選択肢がある。まずは、ガミースマイルの病態および治療法について紹介する。続いて、ガミースマイル対し歯冠長延長術を適応した2症例を供覧しながら、歯冠長延長術のキーポイントをお伝えしたい。歯の過萌出(挺出)矯正的圧下歯冠長延長術 スマイル時に4mm以上歯肉が露出するとガミースマイルとよばれる状態となり、患者によっては審美不良を訴える場合がある。ガミースマイルの原因には、上顎骨の垂直的な過成長、上顎前歯の過萌出(挺出)、歯の萌出異常(受動的萌出不全)、上口唇を挙上させる筋(上唇挙筋や頬筋等)の過活動などがあり、さらには上記の原因が複合したものも存在する。それぞれの原因には対応する治療法が存在する(図1)。各治療法の詳細を以下に示す。a.ボトックス注射(図2):ボツリヌストキシンを口唇周囲組織に注入することにより、口唇の可動域を制受動的萌出不全ボトックス注射上唇挙上筋群の過活動リップリポジショニング手術ガミースマイルの原因と各種治療法

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