QDT 2022年4月号
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補綴設計『今ならこうする』44QDT Vol.47/2022 April page 0462歯科医師・細山歯科医院 新潟県燕市秋葉町1-8-11─変わりゆく材料・コンセプト・ニーズの中で、各時点での「最善」を考える─ 今回は、インプラント長期症例が示唆する臨床像、と題して症例を提示させていただく。その後、次号の誌上で本症例に対するコメントと、異なる考え方で治療した参考症例を普光江 洋氏(歯科医師、高知県開業)にご提示いただく構成としたい。 今回の症例は、1974年初診の、現在47年が経過したものである。初診時の口腔内からデータを収集し、治療方針を立て、それにしたがい治療とメインテナンスを行ってきたが、その過程はときに理論的、ときには場当たり的なものであった。結果、病態は進行し、健はじめにリレー連載細山 愃Hiroshi Hosoyama第4回 インプラント長期症例が示す臨床像を振り返って(前編)康な歯がインプラントに置換されていくが、ヒトの組織、器官、機能、審美に関わる疾病の治療およびその回復を予測することはきわめて難しく、いかなる医療でも長期的にみた場合、健康を維持できた症例、再発した疾病、新たに発症した疾病の原因と、再治療の可能性、不可能性、そして治療術式の選択肢、適応理由について治療限界を感じながら行われるのが実情であろう。以下、時系列に沿って述べていきたい。なお、本症例はITIスタディクラブ山形研修会において2021年3月に講演した内容を再録したものである。補綴設計『今ならこうする』

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