*1歯科医師・夏堀デンタルクリニック 青森県八戸市城下1丁目15-28*2歯科技工士・夏堀デンタルクリニック*3歯科技工士・株式会社E-Joint 埼玉県入間市下藤沢332-127 ホワイトハウス10220QDT Vol.47/2022 September page 1158Feature article #1ティストリーに逆行するような状況が存在している。また、いずれにしてもそれらの模型製作コストは高くなる傾向にある。 こうした中、筆者(夏堀)らは2017年に、株式会社E-Joint(以下、E-Joint)の製品や企業方針を知る機会を得た。当時からE-Jointはオリジナルのチタンベースやスキャンボディの開発・特許取得を進めており、デジタルデンティストリーの構築に向けた筆者の考えかたと沿うものが多いと感じることができた。その後、共同開発を進め、いくつかの製品を製品化することができた。 そうした共同開発技術の一環として登場した、IOSデータを基に専用のディスクを切削加工することで、いわば「IOSのデータから印象体を製作」し、「任意の模型材で模型を完成させる」コンセプトが現在注目されはじめている。本法は、IOSデータから低コストか緒言夏堀礼二*1 Reiji Natsubori/甲地貴行*2 Takayuki Kacchi/藤川 知*3 Satoru Fujikawa 昨今の補綴・修復治療におけるデジタルデンティストリーの進歩には目覚ましいものがある。その中で、モデルフリー法としてデジタルデータから直接補綴装置を加工する方法が提唱されているが、現在でも実体をともなった模型が必要とされる状況は確実に存在する。また、高精度な模型を準備することにより、確実により良質な補綴装置を製作できる現状でもある。 こうした中、口腔内スキャナー(以下、IOS)から得られたデジタルデータからの模型製作法としては、3Dプリンターによる出力や模型用石膏ブロックの切削加工が従来から行われてきた(図1)。しかしながら、前者では出力の精度や経時的な変形が問題となり、後者では加工時間やバーの損耗が問題となってきた(図2)。その結果、ときには光学印象採得とともにシリコーン印象を採得するような症例も散見され、高価なIOSを導入したにもかかわらず、デジタルデン口腔内スキャナーデータからの模型製作法に対する新提案
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