QDT 2022年9月号
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87QDT Vol.47/2022 September page 1225図1 当然のことながら、IOSデータの段階から正しい情報を入力し、CADデザイン、加工テンプレートの選択を行うことがもっともミスが少なくなる。第24回 CADデザインがネスティング・ミリングに及ぼす影響CADソフトウェアのオーダーIOSのオーダー加工テンプレートの選択正確な情報がミリングのミスの防止に繋がる CAMソフトウェアは加工テンプレートやCADデザインの細かい設定事項を読み込んで自動設定することが多い。ネスティングの作業時間が長くなる場合は、設定事項が多かったり、うまく連動されていなかったり、CAMソフトウェアで認識できないCAD情報ファイルがあったり、またはCAD情報ファイルが間違って設定されているにもかかわらず、その情報を無理に認識しようとしたりするCAMソフトウェア上のトラブルを起因とするものが多い。 たとえば、CAMソフトウェアの加工テンプレートはさまざまな基準でカテゴリー化されており、クラウンやコーピングのような加工物の種類によって加工手順が変わる。また、ジルコニアやガラスセラミックスのような材料によってスピンドルの回転数と加工速度などが変わる。「単冠+クラウン+ジルコニア」のテンプレートと「単冠+コーピング+チタン」では工具の種類も乾・湿式も加工時間も異なってくる。それゆえにCADソフトウェアで設定された情報が正確ではない場合、後のネスティング作業時にミスの原因になる。そのため、IOSのデータのオーダーやCADデータをしっかり確認する必要がある。すべての作業を1人で行う場合は間違える可能性は低くなると思うが、複数人で作業する場合は要注意なポイントになる。補綴装置の種類別にテンプレートを選択するため、経験の浅い担当者がテンプレートを選択する場合を考えると、もっとも安全なのはクリニックからIOSのオーダーが届く段階で正確な指示をもらい、そのままミリングまで進めることである(図1)。CAD情報とCAMソフトウェア

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