連載タイトル一覧(予定)(第1回)スキャンその1:口腔内スキャナー編(第2回)スキャンその2:モデルスキャナー編(第3回)バーチャル咬合器編(第4回)加工その1:ミリングマシン編(第5回)加工その2:付加製造技術(3Dプリンター)編(第6回)各種加工用材料編110キーワードから考えるデジタルデンティストリー関連装置・材料の選びかたQDT Vol.47/2022 September page 1248第5回加工その2:付加製造技術(3Dプリンター)編はじめに隔月連載橋本和佳 Kazuyoshi Hashimoto/阿部俊之 Toshiyuki Abe歯科医師・愛知学院大学歯学部 冠橋義歯・口腔インプラント学講座愛知県名古屋市千種区末盛通2-11 3Dプリンターは、1980年に開発された光硬化性樹脂を用いた造形法が原型1といわれており、液相光重合方式の歴史は深い。もちろん現在ではスマートフォンなどの身近なものや、自動車の部品、医療分野における手術領域の造形などに至るまで、さらには宝飾品のような複雑な形状をもつものなど、あらゆる産業分野で幅広く取り入れられている。 近年、デジタル技術を応用した歯科分野においても、切削加工に加え、3Dプリンターによる積層造形が実用化されてきた。 本稿では前半で3Dプリンターそのものに触れ、後半で口腔内に装着できる(薬機法におけるクラスⅡ認証済みの管理医療機器)材料について解説する。 3Dプリンターでは、それぞれの材料を一面ごとに重合を繰り返し、積層して造形を行う(図1)が、その方法には材料押出、液層光重合(光造形)、材料噴射(インクジェット方式)、結合剤噴射、粉末床融解結合などの方式が定義されている2。キーワードから考えるデジタルデンティストリー関連装置・材料の選びかた
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