21QDT Vol.47/2022 October page 1305図1a~g 筆者(神山)が偶然立ち会いをした患者が使用していた保険義歯。a:右側面観。b:義歯正面観。c:左側面観。d:上顎咬合面観。e:下顎咬合面観。f:上顎粘膜面観。g:下顎粘膜面観。abdfceg 筆者も、今までに数多くの保険義歯を製作してきた。その経験から、下記のような問題点があると考えられる。①義歯治療は手間がかかる②印象採得から義歯装着までの来院回数が多い③技工作業も煩雑で時間がかかる④ どこまで突き詰めてよいかわからない(自由診療と保険診療の差が出しにくい)⑤なかなか良い結果が出ない⑥歯科医院・歯科技工所ともに利益が出にくいなどが挙げられる。どうしても、「保険診療=上手く総義歯製作システム「ZERO SYSTEM」とは何か?(前編)いかないし利益にならない」というイメージが払拭できない。 実際に、歯科医院にて立ち会いをしていると、義歯が使えず困っている患者をよく目の当たりにする。 図1は、偶然立ち会いをした患者が使用していた義歯である。みなさんはこの義歯を見てどのように感じられるだろうか? 申し訳ないが、とても「良い義歯」だとは言えないのではないだろうか? しかし、このような義歯を使用して困っている患者は非常に多く見受けられる。考えうる問題点を列挙すると、①本当に義歯床辺縁形態は合っているか?不具合が生じている保険義歯の例保険歯科診療における義歯の問題点
元のページ ../index.html#2