QDT 2022年10月号
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フェイススキャンデータの臨床への活用QDT Vol.47/2022 October page 1341図1 フェイススキャナー「FaceHunter」。図2 咬合器「PS1咬合器」。図3 NHPを計測するデバイス「PlaneFinder」。4557 PlaneSystemはZirkonzahnと歯科技工士のUdo Plaster氏が共同開発したハードウェア・ソフトウェアから構成されるシステムであり、CAD/CAMを含めたZirkonzahnシステムとシームレスに連携するように設計されている。具体的には、フェイススキャナー「FaceHunter」(図1)、咬合器「PS1咬合器」(図2)、NHPを計測するデバイスである「PlaneFinder」(図3)などのハードウェアと、「.Scan」などのソフトウェアで構成される。.Scanはラボスキャナーを制御するソフトウェアと同一のものであるので、取得したデータはチェアサイドとラボサイドでいつでも共有することができる。 NHPは1862年、Brocaによって「ヒトが視軸を水平面に置いて立っている時の頭位」として定義されたものであり、1960年代からは矯正歯科治療におけるセファロ分析などにも導入されている。PlaneFinderは、「目、頚部の筋肉、前庭系などの助けを借りて、視軸が水平線と平行になるように頭の姿勢を直感的に調整する」という人体の自然な機能を利用し、患者固有のNHPを検出する(図4)。このNHPを患者固有の0°基準面とし、ヒトの身体の非対称性に影響されることなく、再現性の高い基準を定めることができる(図5)。そしてFaceHunterによる顔貌の3Dスキャンデータと、その顔貌内における上下顎の三次元的な位置関係および咬合器へのマウントや、検査・診断および各補綴装置のデザインやインプラント埋入のシミュレーションなどがZirkonzahn社のソフトウェア内で連携するようになっている(図6~9)。さらにJawPositionerという専用プレートを上顎の咬合面と嵌合するようにミリングし(図10、11)、専用の台座の高さと角度を設定することでデジタルマウントした位置を正確に実際の咬合器に反映させることができる(図12、13)。 また、Zirkonzahn社の下顎運動計測装置「PlaneAnalizer」やZebris社の下顎運動計測装置で計測した下顎運動データ(xmlフォーマットデータ)をモデリングソフトウェア「.Modifier」にインポートすることPlaneFinderによるNHPの計測図4 リラックスした状態でPlaneFinderの前に立ち、鏡を見ながらサイドのアームに指を添え、患者固有のNHPを検出する。図5 NHPを患者固有の0°基準面とし、上顎の位置を咬合器に再現する(図1~5はZirkonzahnより資料提供)。さまざまな情報を統合するPlaneSystemPlaneSystemのハードウェア

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