QDT 2022年11月号
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abba図2a、b 初診時正面観および切縁観。QDT Vol.47/2022 November page 1441図1 初診時のスマイル時における口唇の正面観。図3 初診時デンタルエックス線写真。図5 Chu’s Esthetic Gauge(ヒューフレディ・ジャパン)のProportion Gaugeによる診断。左側中切歯は、基準となる幅径/長径比0.8より、長径が長いことがわかった。図4a、b 既存補綴装置およびメタルコア除去時の正面観および口蓋側面観。4mm2mm図6 辺縁歯肉切除の幅は2mm、残存する角化歯肉の幅は4mmとなる。図7 Chu’s Esthetic GaugeのBone Sou-nding Gaugeによる診断。左側中切歯の歯肉溝の幅は1mm未満であり、右側中切歯の歯槽骨頂まで3mmであることがわかった。幅径/長径比0.81、2を基準にあてはめると左側中切歯は幅径にくらべて長径がやや長いことがわかった(図5)。しかし、左右犬歯を含めた6前歯を考慮すると、バランスの取れた長径であると判断した。よって、補綴歯の長径の改善が必要になった。長径差は約2mmであり(図6)、Gingival Frameworkを補綴的方法で行うか、外科的方法で行うかの検討が必要になった。Bone Soundingを行うと、補綴予定歯の歯肉縁から歯槽骨頂上までの距離は約3mmであり、歯第4回:エビデンスに裏付けられた天然歯歯科審美修復・フェルール欠如への対応肉溝はおおむね1mm程度であることが予想された(図7)。補綴的方法では、最大でも歯肉溝の幅である1mm程度しか辺縁歯肉を退縮させることができず、必然的に歯槽骨切除をともなう外科的な方法を行う必要があった。想定する歯肉切除後の歯肉縁の位置から残存する角化歯肉の幅は4mmであり(図6)、全層弁での歯槽骨切除を伴う外科的方法によるGingival Frameworkを行うことを計画した3。症例1:初診時症例1:支台歯・歯周組織の評価35

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