QDT Vol.47/2022 November page 1462(セファログラム、以下セファロ)がある。矯正歯科治療のみならず咬合再構成を必要とする補綴治療において、総合診断や治療計画の立案時、また治療途中の再評価時などにセファロを参考にしている歯科医師は少なくない。 セファロは参考資料のひとつであり、確定診断の材料ではないことは大前提であるが、担当医が使用している場合はどのように考え治療を進めていくのかの共通資料になり、セファロ分析のデータは診断用ワックスアップやセットアップにおいても参考となる。 今回、筆者が担当医とともに参考にしているセファロ分析の項目を解説し、それを基に診断用ワックスアップおよびセットアップを行った症例を供覧したい。56 補綴治療において補綴装置をより良い口腔内環境に装着するために、支台歯や対合歯などトゥースポジションを矯正歯科治療にて改善する症例がある。この際、補綴装置を製作する歯科技工士がどの段階で治療に参加していくかによって治療結果に差が生じると考えている。歯科技工士が治療計画立案にかかわる診断用ワックスアップや矯正歯科治療のセットアップ(セットアップ模型製作も含む)を行う場合は、担当歯科医師とのコミュニケーションが必須となる。その際には基礎資料を歯科技工士も理解し、そこから自身の知識・経験を基にした提案や疑問点などの質問を行えるかどうかでコミュニケーションの質は変わってくる。 その基礎資料のひとつに頭部エックス線規格写真中村悠介株式会社Benefit Technology東京都杉並区高円寺南2-37-23 NKビル3Fはじめに歯科技工士が知っておきたい臨床に活かせるセファログラムの知識Feature article #2
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