R・HIRIREFCRABGH堤吸収が進んでも位置変化が少ないとされていることから、総義歯製作を専門で扱う歯科技工所ではこの方法が多く採用されている。 複合型は、顎堤頂を基準にする方法から歯肉唇・頰移行部を基準にする方法への移行型と考えられる。実際、日本の歯科技工士の教本では、1976年版15では顎堤頂を基準にする方法であったが、1994年版4では顎堤頂の基準を主とした複合型へ、2017年版12では歯肉唇・頰移行部を基準とした咬合床の製作法にシフトしている(図1~3)。 歯肉唇頰・移行部を基準にする方法を推奨する代表者である堤は、上唇小帯付近の歯肉唇移行部から下唇総義歯人工歯の切縁位置(インサイザルエッジポジション)を考慮した咬合床の製作法図2 複合型(本図は権田4を基に作図)。QDT Vol.47/2022 December page 1561図1 顎堤頂を基準にする方法(本図は西浦15を基に作図)。咬合床の基準点:歯肉唇・頰移行部を基準にする方法図3 歯肉唇・頰移行部を基準にする方法(本図は鈴木12を基に作図)。29IMIM85°80°11mm10mmIM8mmR.H10mm小帯付近歯肉唇移行部、または相当部までの距離と上唇小帯付近の歯肉唇移行部から上顎中切歯切縁までの距離を、正常有歯顎者27人の平均で37.2mmと21.3mmだったと報告している。これは比率では、1:0.57となる。堤は簡便性を踏まえ1:0.55となる40mmと22mmを推奨した。これはろう堤軟化分2mmを含んでいると述べている。 また、最初に歯肉唇・頰移行部を基準にすることに着目したとされるMcGraneは、正常有歯顎者の計測から約38mmと22mmと報告し、1:0.579の比率となるとした。そして、やはり臨床では、調整分を含み40mmと22mmを推奨した8。22mm18mm18mmRHD咬合床の基準点:顎堤頂を基準にする方法咬合床の基準点:複合型
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