QDT 2022年12月号
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d図1b~d 上顎大臼歯における全部鋳造冠(b)・モノリシックジルコニアクラウン(c)・CAD/CAM冠(d)の基本的な支台歯形態と歯質削除量の比較。辺縁部第3回:上顎大臼歯の支台歯形成少ないシャンファー0.5~0.8mm程度歯肉縁から縁下0.5mm・原則は片側2~5°・臨床的には片側10°が許容範囲(冠の保持力は軸面角度に依存する)モノリシックジルコニアクラウン多いさらに多い特に咬合面(内・外斜面、中心窩)に削除量が必要ディープシャンファー/ラウンデッドショルダー1.0mm以上歯肉縁から縁下0.5mm(光学印象を考慮すると限りなく歯肉縁に近く、もしくは縁上が望ましい)歯質削除量辺縁形態設定位置ラインアングル鋭縁部を残さないテーパーアナログ全部鋳造冠デジタルCAD/CAM冠QDT Vol.47/2022 December page 1583510.5~0.8mm0.8~1.0mm1.0~1.5mm辺縁形態(頬側):ディープシャンファー削除量:>1.0mm歯肉縁~縁下0.5mm程度頬側(非機能咬頭側):基本2軸+ノンファンクショナルカスプベベル(N-FCB)軸面削除量:>1.0mmN-FCBを意識して形成する軸面削除量:1.0~1.5mmを厳守。削除量不足になりやすい図1a 上顎大臼歯のモノリシックジルコニアクラウンの基本的な支台歯形態と形成時の留意事項。全部鋳造冠表1 全部金属(鋳造)冠とCAD/CAM応用歯冠補綴装置では材料特性により支台歯形態が影響を受ける(図1参照)。0.5~0.8mm0.8~1.0mm辺縁形態(歯間部):ディープシャンファー削除量:>1.0mm歯肉形態に合わせ、コルを損傷しない(頬側)削除量:1.0~1.5mm削除量不足になりやすいモノリシックジルコニアクラウン全部鋳造冠よりさらに丸みを帯びる(CAD/CAMによる内面切削加工の限界)・原則は片側5~10°・臨床的には装着が接着に依存するため、全部鋳造冠に比較してテーパーの許容範囲が大きい>1.0mm>1.0mm1.0~1.5mm>1.0mm>1.0mm>1.0mm>1.5mm辺縁形態(口蓋側):ディープシャンファー削除量:>1.0mm歯肉縁~縁上でも可(口蓋側)口蓋側(機能咬頭側):基本2軸+ファンクショナルカスプベベル(FCB)軸面削除量:>1.0mm鋭縁を削除して丸みを与えるbc1.0~1.5mm程度FCBを意識して形成すると3軸になるCAD/CAM冠>1.0mm>1.5mm1.5~2.0mm上顎大臼歯のモノリシックジルコニアクラウンの基本的な支台歯形態上顎大臼歯のクラウンの種類と支台歯形態・削除量【POINT】 デジタル時代とアナログ時代の支台歯形成の違い・注意点(上顎大臼歯)

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