新春座談会 気鋭臨床家症例クロスレビュー ─他者の視点と症例の追体験─(後編:咬合再構成編②)27QDT Vol.48/2023 March page 0347講座助手2004年 原田歯科クリニック(東京都千代田区)勤務2012年 プラム四谷歯科クリニック開業臨床研修終了2011年 寺西歯科医院にて研修2012年 医療法人愛一会 さくら歯科クリニック勤務2015年 岩本町デンタルクリニック勤務2018年 ねま歯科クリニック開院勤務2007年 土屋歯科クリニック &Works 勤務 2008年 デンタルクリニック アレーズ銀座 院長日本臨床歯科学会東京支部 理事滝沢卓也:臨床歴15年2007年 日本大学松戸歯学部卒業2009年 箱崎デンタルクリニック勤務2013年 たきざわ歯科クリニック開業李 昌弘:臨床歴21年2001年 日本大学松戸歯学部卒業2002年 日本大学松戸歯学部総合歯科診療学 新藤有道:臨床歴24年1998年 日本大学松戸歯学部卒業2004年 岩本町デンタルクリニック開業日本臨床歯科学会東京支部 理事的な問題はありませんでした。 応急処置として、₅部が破折していたため抜歯を行い、歯髄反応がすでになかった₆部の根管治療を行い、落ち着いたところで全体的な診査に入ることとしました。 口腔内写真を図2に示します。口腔内所見から、全体的な骨隆起があり咬合力が強く、ブラキシズムを疑いました。下顎前歯においては著しい咬耗が起きています。強い咬合力が原因で補綴装置の脱離を繰り返し、破折や歯冠崩壊などが生じることで抜歯になった根間大地:臨床歴12年2010年 日本大学歯学部卒業2011年 日本大学歯学部付属歯科病院 吉田茂治:臨床歴23年1999年 日本歯科大学卒業1999年 東京医科歯科大学顎顔面外科勤務2001年 東京医科歯科大学顎関節治療部勤務2002年 パークサイドデンタルオフィス開業日本臨床歯科学会東京支部 理事中村茂人:臨床歴22年2000年 日本大学松戸歯学部卒業2002年 原田歯科クリニック(東京都千代田区)と考えられます。その欠損がそのまま放置されて歯牙の挺出が起こり、現在に至っています。 検査時の歯と歯列の状態について図3に示します。不適合修復装置は既存のものすべてとし、位置異常歯(version teeth)についてはほぼすべての歯牙に後天的な移動が起きていると考えました。このままですと、何を基準にしていいのかわからない状況です。 保存可能かどうか疑問が残る(questionable)歯牙としては、フェルールが確保できない₂、近心傾斜してしまっている₇が該当すると考えました。
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