QDT 2023年3月号
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3演者論202文82QDT Vol.48/2023 March page 0402西原 徹デンタル・プログレッシブ奈良県奈良市四条大路2-2-13-5はじめに 近年、社会の高齢化にともない欠損補綴の需要はますます高まってきている。欠損歯列への対応としては複数の選択肢があるが、そのひとつとしてパーシャルデンチャーが挙げられる。ほかの補綴装置でも同様であるが、パーシャルデンチャーにおいても口腔内装着後に長期的に安定して機能させることが非常に重要である。そのためには欠損補綴の目的を十分に理解し、それらを達成するためにはどうするべきかを考える必要がある。 この目的を達成するためにチェアサイドと相談しつつ製作工程を進めていくが、模型上からでは正確に判断することができない情報も多い。そのため、模型以外にもチェアサイドからさまざまな情報をいただく必要がある。さらに、そうした多くの情報を基に製作した補綴装置であったとしても、実際に口腔内に装着されて機能・非機能運動が行われることで、咬合器上では分からなかった“目には見えない力”が加わるのが初めて分かることもある。この義歯に加わるさまざまな方向の力を“残存歯と義歯を一体化”させることによりコントロールし、“義歯の動きを最小限に抑える”ことFeature article #2ファイナルを見据えたプロビジョナルパーシャルデンチャーの構成と目的─口腔内で機能・安定させるための一手─

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