83QDT Vol.48/2023 March page 0403がパーシャルデンチャーにおける“力のコントロール”であり、これが口腔内で長期的にパーシャルデンチャーを安定させるためには重要である。 この咬合器上では分からなかった“目には見えない力”の情報を得る手段として、ファイナルデンチャーを見据えて製作するプロビジョナルレストレーション(以下、プロビジョナルデンチャー)は非常に有効である。口腔内で実際に使用していただき視覚的に観察し、そこで得られた情報をファイナルデンチャーに反映することが口腔内で長期的に安定するパーシャルデンチャー製作につながっていく。 しかし、パーシャルデンチャーのプロビジョナルデンチャーはケースプレゼンテーションなどでも簡単に流される場合が多く、クラウン・ブリッジやフルデンチャーにおけるプロビジョナルレストレーションと比較してもあまり詳しく紹介される機会がないと感じている。そこで今回はプロビジョナルデンチャーの概要と目的を整理し、プロビジョナルデンチャーを製作するそれぞれの段階で筆者が何を意図して製作しているのかを紹介していきたい。
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