105第30回(最終回) 筆者の考えるデジタルとの向き合い方QDT Vol.48/2023 March page 0425ScanDesignMillingSinteringStainDelivery図1 まずは各メーカーのIOSデータを受け取る準備から始める必要がある。メーカー毎にクラウドサービスがあるのであらかじめ登録しておき、取引先のクリニックからどのメーカーのIOSデータが送られてきても対応できる準備をしておくことで、チェアサイドとのコミュニケーションをシンプルにすることができる。クラウドサービスを使わず、スキャンデータをメールに添付して送ることもできるが、チェアサイドで毎回メールに添付して送るというのは手間がかかるため、各メーカーのクラウドサービスを有効に活用することをお勧めする。Digital WorkflowIOSにおけるDigital Workflow 従来の技工所に比べてデジタル機器やPCといった精密機器を設置するためにはクリーンな環境が必要とされる。精密機器は埃に弱く故障の原因になるため細心の注意が必要である。これは機器の寿命に大きな影響を与える。 また、デジタル機器の多くは機器とPCが1セットであり、配線が増えて多くのコンセントを必要とするため、設備を充実させるとかなりの電力を必要とする。事務所用テナントの場合は使用できる電力に限りがあることも考慮すべきである。 さらにデジタル特有のWi-Fi環境も重要である。デザインデータはさほど問題ないが、CAMソフトのPCからミリングマシンに送るデータに関してはLAN接続することをお勧めする。 データの管理に関してもIOSデータやシェード写真などが無制限に増えていくことから、今後は莫大な量のデータを保存・管理しなくてはいけないことが想像できる。さまざまなクラウドサービスやサーバーをうまく活用して対応していくが、個人情報が多いため管理に関しては今まで以上に慎重に考えていく必要がある。データのやり取りもUSBやSDカードは極力避けるなど、ウイルスなどへの対策に対しても配慮が必要になる。デジタル技工を行うための環境作り
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