QDT 2023年4月号
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3演者論202文QDT Vol.48/2023 April page 0520 前号までは、単独歯または複数歯での天然歯歯科審美修復におけるGingival Frameworkのうち、補綴的方法、および外科的方法について詳述してきた。今①診断と治療方針 患者は39歳男性。主訴は右側中切歯の変色と側切歯の色調不良による前歯部審美障害。スマイルはHigh Smileであり、Dynamic Smileでは前歯の歯冠全体が露出していた。患者の希望によりGingival Frameworkが必要な症例であった。補綴処置を予定している上顎右側中切歯および側切歯は失活歯で、中切歯は実質欠損も大きく、左側と比較して色調に大きな違いを認めた。上顎正中線が傾き、右側中切歯は捻号では、最後に残された矯正的方法(矯正的挺出のようなMTMでない)を使用した症例について詳説し、その留意点について考察する。転を認めた。右側側切歯は左側側切歯と比較し幅径および長径が短く、左右差が大きかった。歯周組織はThin Gingival Phenotypeであった(図1~3)。犬歯関係の改善も必要なため、全顎的な矯正歯科治療を提案したが、この時は拒否され、主訴部位のみアルミナセラミックを用いて修復処置を行った(図4~6)。 補綴修復治療後、4〜6ヵ月おきのメインテナンスを経て8年後、全顎的な矯正歯科治療を希望され、修復した補綴装置の再製作もあわせて計画した。8年前に補綴歯科治療済みの右側中・側切歯の補綴装置を除去し、PVRに置き換えた後、矯正歯科治療を行うHiroyuki Kibayashi歯科医師:きばやし歯科医院京都府長岡京市開田1丁目21-21701)症例1:全顎矯正歯科治療を利用した症例連載第9回:エビデンスに裏付けられた天然歯歯科審美修復 矯正歯科治療によるGingival Framework木林博之 はじめに1.症例供覧:矯正的方法と補綴的方法によるGingival FrameworkPeriodontal Tissue補綴装置と歯周組織の接点The interface of Restorations and

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