QDT 2023年5月号
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hsalpsnU no mortsoM nylevE yb otohP47第4回 補綴治療と矯正歯科治療を組み合わせて咬合再構成を行った3症例QDT Vol.48/2023 May page 0651はじめに 筆者は1986年に東京歯科大学を卒業してから保存修復学教室の大学院に進み、故・石川達也教授の指導を仰いだ。石川教授は保存修復というカテゴリーに収まらない先生で、さまざまな分野に造詣が深い方だった。研究についても修復材料のみならず、根管治療、歯周治療、インプラント治療、さらに咬合など広い分野の研究活動を行っていた。特に咬合に対する探究心は相当なものがあり、われわれ教室員は石川教授とともに故・寿谷 一先生に師事し、パナデント咬合器を使用した咬合や矯正の勉強をしていたほどであった。後に石川教授は日本全身咬合学会を設立して、お亡くなりになるまで会長・理事長として学会を率いていた。 筆者は大学卒業前から、必要な場合には矯正歯科治療を施してからきちんとした補綴治療をすることが必須だと考えていて、それができる先生を勤め先として紹介していただけるよう石川先生にお願いしていたほど、矯正が総合的な治療に不可欠だと考えていた。そのような考えをもっていたので、卒後3ヵ月目ごろから、知り合いの先生に教わりながら小矯正(MTM)程度のことから矯正歯科治療を導入し始めた。第4回 補綴治療と矯正歯科治療を組み合わせて咬合再構成を行った3症例─歯科医師人生に訪れた転機を症例とともに振り返る─青木 聡Satoshi Aoki歯科医師・青木歯科 東京都新宿区西新宿4-41-7 クレベール西新宿101東北大学大学院歯学研究科非常勤講師(加齢歯科学分野)/日本全身咬合学会理事/Geepee Brothers 共同代表リレー連載私の分岐点:この症例

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