3演者論202文QDT Vol.48/2023 August page 1044 本連載のポンティック〔前編・中編〕では、ポンティックに使用されるマテリアルとその基底面に接する欠損顎堤粘膜との接合様式について、また、さまざまなポンティック基底面形態の中でも前歯部審美領域におけるオベイト型ポンティック(以下、OP)および改良オベイト型ポンティック(MOP)の優位性について、さらに、PVRのOPあるいはMOP(以下、OPとMOPをあわせてポンティックとする)基底面とそれに対 PVRのポンティック基底面形態の調整が完了した後には、その基底面形態を正確に補綴装置にトランスファーすることが必要となる3-5。欠損顎堤粘膜は、する欠損顎堤粘膜の調整方法について詳説した。そこで述べたように、インプラント補綴のみならずポンティックについても、軟組織の再建に加えて、軟組織を支える補綴装置の適切な形態の付与は歯科審美修復を成功させるために、必要不可欠な要素のひとつである1、2。本稿では、調整の完了したPVRのポンティック基底面形態を補綴装置にトランスファーする方法について詳説する。PVRのポンティック基底面による支持から解放された途端にその形態が変化する6-8(図1)。すなわち、欠損顎堤がPVRのポンティック基底面による支持から解放された状態で印象された模型を用いて製作された基底面形態は、PVRを装着した状態のそれとはまったく異なるものになってしまう。とくに、シリコーン50Hiroyuki Kibayashi歯科医師:きばやし歯科医院京都府長岡京市開田1丁目21-211)PVRが除去された状態の印象での模型の問題点連載第13回:エビデンスに基づいた欠損修復処置(その4:ポンティック〔後編〕)木林博之 はじめに1.PVRのポンティック基底面形態を補綴装置にトランスファーする方法Periodontal Tissue補綴装置と歯周組織の接点The interface of Restorations and
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