QDT Vol.48/2023 August page 1059図1 2021年度は開業してからもっとも多くの仕事を受注し、「嬉しく」もあったが、上記の問題も抱えていたため「不安」も大きかった。・働き方改革(労働時間、雇用条件その他)・デジタル関連コスト(デジタル機器導入コスト、年間ライセンス料金、消耗品、その他)・人材不足(新卒が成長できる教育システム)・仕事効率の悪さ65DXを意識した労働生産性の向上と人材育成の両立(前編) 2021年度は2000年にパシャデンタルラボラトリーを開業してからもっとも多くの仕事を受注し、「嬉しく」はあるものの「不安」にもなった。なぜなら仕事が増えることで売上は上がるが、スタッフの勤務時間は長くなり、ストレスや不満が多くなるからである。デジタル時代は、デジタル機器の導入コストやライセンス料、ディスクや加工用のバーなどの消耗品など、アナログ時代と比較してなにかとコストがかかる。そこに働き方改革や人材不足も重なり(図1)、今までと同じ考えや働き方では時代に取り残されてしまうと危機感をもち、時代にあった「労働生産性」の高い働き方ができないかと考えていた。 しかし、頭の中で考えていてもなかなか効果的な社内改革はできていなかった。そんな2022年3月のある日、19時半ぐらいだっただろうか、2021年に新卒で入社して約11ヵ月が経ったスタッフと話をしていたとき、こんなことを言われた。「月に1日でよいので、残業しない日があると嬉しいです」 自分の会社はこんな希望も叶えることができていないということを痛感した。これからの時代背景を考えると、なんとしても会社の体制を変えなければならないと強く思い、行動に移す決意をした。 そんなとき、スタディグループMID-Gの代表理事でもある栗林研治先生(栗林歯科医院理事長)が「理想の歯科医院経営コース」というプライベートセミナーを開催していることを知り、受講することにした。歯科医院経営のためのコースだが、参加したことで多くの学びがあり、とくに考えさせられた言葉が「人を責めない。仕組みを変える」だった。技術職がゆえに人のスキルや能力のせいにしてしまっていた自分の考えを改め、社内の効率化と充実した仕事内容の実現に向けた新たな試みを模索していくスタートラインとなった。2021年に直面していた問題弊社における2021年の問題点
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