歯科医師:きばやし歯科医院京都府長岡京市開田1丁目21-2130QDT Vol.48/2023 November page 1422 欠損補綴処置のひとつのオプションであるブリッジ、その中でも天然歯をリテイナーとするブリッジについて過去2回にわたり詳説した。今回は、審美領域 1歯の中間欠損に対する処置法として、ブリッジとインプラントは確立された処置法だと考えられる。日本補綴歯科学会刊の『欠損補綴のガイドライン』によると、1歯の中間欠損に対して、インプラントとブリッジでは5年生存率に差はなく、機能的にもインプラントが有効であるというエビデンスは存在していない。インプラントは、両隣在歯を切削する必要がないため、切削によって引き起こされる歯髄・歯周組織のトラブルは回避できる。しかし、症例によってはインプにおける欠損補綴処置のもうひとつのオプションであるインプラント支持型クラウンについて文献と症例を交えて考察する。ラント埋入が困難な場合も存在している。逆にブリッジは、いかなる症例に対しても対応できるものの、隣在歯の切削に起因するう蝕や歯周疾患、歯髄疾患などの生物学的な合併症を引き起こす確率(リスク)が、隣在歯の切削の必要性がないインプラント処置よりも高く、その発生頻度も経時的に高くなる。すなわち、欠損部の隣在歯がすでに処置されているか否かが、天然歯の切削によって引き起こされるリスクに関与しているため、隣在歯の状態が重要な要素となる。Hiroyuki Kibayashiはじめに1.ブリッジ VS インプラント連載第16回:エビデンスに基づいた欠損補綴処置(インプラント支持型クラウン)木林博之 Periodontal Tissue補綴装置と歯周組織の接点The interface of Restorations and
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