Feature article #2QDT Vol.48/2023 December page 1554Instruction〔歯科衛生士による口腔衛生指導〕)や禁煙指導を行いながら、ある程度色調が落ち着いたあとにクラウンにて補綴治療を行う計画とした。 また、歯冠長の改善を行うため、歯周形成外科も併用した。図1a 術前スマイル。上顎両側中切歯の歯頚ラインが歯冠側に位置する。60図1b 若年者にもかかわらず、咬耗が著しいことが分かる。可動範囲が切縁を越えるため、十分に形態を考慮しなければならないことが見て取れる。図1c 歯冠長延長術を行う。図1d 印象採得の同日に、歯科技工士によるシェードテイキングの立ち会いを行った。シェードガイドは、ヴィンテージハローNCCシェードガイド(松風)。右からA1、A2。図1e 浸潤麻酔や歯肉圧排などの印象採得操作の前にシェードテイキングを行う。画像合成試適用にグレーカードを差し込んだ写真を最初に撮影する。deCase 1:強度を重視する必要があったシングルセントラル患者概要: 患者は26歳男性。前歯の審美改善を希望されて来院された。審美不良の₁は、10年前、外傷後に当院で根管治療と破折部の修復を行った既往がある。治療計画: 患歯は失活歯であり、また残存歯質も唇・口蓋側ともに少ない。まずは、全顎的な歯周基本治療と並行して根管治療と支台築造を行う。 喫煙や嗜好品の影響によって前歯唇面の色素沈着が認められたため、歯周基本治療時にOHI(Oral Hygiene 着目すべきは、若年者であるにもかかわらず重度の咬耗が認められる点である。また、臨床的歯冠長が短いことから、受動的萌出遅延を疑った。
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