QDT 2024年1月号
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 歯列欠損部に対しパーシャルデンチャーを用いて補綴するケースは、超高齢社会を迎えている本国において急速に増加している。パーシャルデンチャーにおいて重要なことは多々あるが、鉤歯を喪失せず長期的に口腔内で機能することは重要な事項である。そして鉤歯が咀嚼することにより喪失してしまう原因の多くは、義歯が回転することにより維持装置が鉤歯に対して引き倒したり引き抜いたりする作用力が発生し、歯槽骨が崩壊を起こしてしまうからである。 患者の口腔内における適切な「支持」「把持」「維持」を考連載予定第1回 キャストパーシャルデンチャー製作のためのトレー第2回 キャストパーシャルデンチャーの材料と適合第3回 キャストメタルプレートの適合精度を上げる手法第4回 コンビネーションシンドロームを防ぐ義歯治療(前編)第5回 コンビネーションシンドロームを防ぐ義歯治療(中編)第6回 コンビネーションシンドロームを防ぐ義歯治療(後編)えたキャストパーシャルデンチャーを製作するには、シリコーン印象で義歯辺縁形態を含めた形態を採得すると同時に、選択圧印象が確実にできる精密印象採得が必要である。そこで本連載では、筆者が修練を積むために勤務させていただいている松本勝利先生のあらかい歯科医院におけるキャストパーシャルデンチャーの製作法をご紹介したいと思う。 第1回の今回は、キャストパーシャルデンチャー製作で選択圧印象を採得するためのトレーについて述べる。─トレー製作から蝋堤製作まで──咬合採得から人工歯排列・試適まで──最終排列から完成まで─66QDT Vol.49/2024 January page 0066山田秀典 Hidenori Yamada*1監修:松本勝利 Katsutoshi Matsumoto*2*1 歯科技工士:GDS認定技工士、あらかい歯科医院*2 歯科医師:GDS代表、あらかい歯科医院福島県南会津郡南会津町関本字下休場729-1連載第1回 キャストパーシャルデンチャー製作のためのトレー精度の高いキャストパーシャルデンチャー製作法

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