QDT 2024年1月号
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 高透光性ジルコニアや混合積層型ジルコニアの登場によってモノリシックジルコニア(以下:モノリシック)に対するステイン法で対応できる症例が増えてきている1(図1)。しかし、前歯部の審美領域においては、ステイン法だけは対応が難しいケースも存在する。このような場合、陶材を築盛して対応するのが正道であるが、ジルコニアの発展の恩恵を受けたことで、従来のようなフルベイクよりもフェイシャルカットバックフレームを用いたパーシャルベイク(以下:フェイシャルカットバック法)が増加しているように感じる2、3。また、破折防止の強度的要因も、フェイシャルカットバック法による築盛が加速した理由でもあると考える(図2)。実際に筆者の臨床においても切縁までジルコニアを延長したフレーム形態が第一選択肢となっている。 そこで本連載では、ステイン法しか経験のない方やこれから築盛にチャレンジしようと考える方々を対象に「フェイシャルカットバック法を用いた陶材築盛」を基礎から学ぶことを目的として、筆者の考えをまとめてみたいと思う。QDT Vol.49/2024 January page 0072i- Dental Lab/神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央5-8-5 パームハイム20172伊原啓祐はじめに連載基礎から学ぶフェイシャルカットバック法を用いた陶材築盛第1回 フレームデザインとケース選定

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