aacbbd 筆者らの世代は陶材焼付冠の「メタル」から「アルミナ」、そして「ジルコニア」へと時代のマテリアルトレンドとともに築盛法の変化を経験してきた。筆者らの世代にとって、マテリアルが変われども、陶材築盛のベースは「メタル」で培ったものである4-6。 一方、比較的技工歴が浅い歯科技工士には、ステイン法のみで築盛を経験したことのない方もいると思われる。築盛未経験者にしてみれば、フルベイクよりもフェイシャルカットバック法の方が陶材の扱いも容易で取り組みやすステイン法で対応できる症例は増えてきている強度面もフェイシャルカットバック法が広まった要因のひとついであろう。大きなポイントとしては「ジルコニアにはさまざまな透光性があり、フレームの選択によって陶材築盛のレシピが変わる」「フェイシャルカットバック法は、切縁にフレームが延長されているため、切縁の表現方法に工夫が必要」といったものになる。 本連載では、筆者がこれまでのマテリアルの変化で得てきた経験を踏まえて、築盛初心者にもできるだけ分かりやすく解説していきたい。第1回 フレームデザインとケース選定73QDT Vol.49/2024 January page 0073図1a、b ステイン法で製作したモノリシックジルコニア。a:₇₆₅インプラント上部構造。b:₃インプラント上部構造。図2a~d プロビジョナルクラウンの左側側切歯-犬歯間に咬耗が確認できる(a)。陶材のチッピングリスクを少なくするために、切縁ギリギリまでジルコニアを延長した(b)。執筆の背景
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