QDT 2024年2月号
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■症例:術前口腔内写真およびパノラマエックス線写真adbecba図4a、b 術前パノラマエックス線写真。すべての天然歯に病的歯牙移動がみられる(b)。前医でも咬合再構成が試みられたが、補綴装置の破損が続き、通院へのモチベーションが下がったとのことであった。Feature article #1図3a~e 術前口腔内写真。20QDT Vol.49/2024 February page 0146れ、それ以来、顔のパーツの位置を基準に判断する方法が今でも使われています2。しかし、顔の軟組織を基準にするため、実際には難しさがあります。髪の生え際や眉毛、鼻下点などの位置・形は人それぞれですし、オトガイ部などは脂肪の付きかたなどによって判断に迷うことがあり、再現性が高いとは言いがたいものでした。 そこで参考にしたのが、当時、土屋先生も咬合再構成症例の再評価に使われていたセファログラム分析です。私はこれを初診時から応用し、治療計画の立案に役立てています。図2にその例を示しますが、Stroud LPによる文献3を基にfacial axisとlower facial height、そしてmandibular arcの3つの数値を計測し、線を引くだけで「この患者さんの骨格は、短顔型なのかな」ということがすぐわかります。その上で、「この患者さんは垂直的に顔が長いのか・短いのか」を見ていきます。そうしないと咬合高径はわかりませんし、短顔型の方と長顔型の方では咬合高径は違うわけです。この患者さんの場合、lower facial heightの数値からmesiofacialとbrachyofacialの境界にある、すなわち少し短顔型なのだということがわかります。そして、これに対応するfacial axisとmandibular arcの値からは、咬合高径には問題ないことがわかります。これらのことから、究極的には顔貌を見なくとも、セファロ分析だけで大まかな顔貌分析を完結できるのです。 顔貌写真に加え、図3の口腔内写真を見ていただき

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