QDT 2024年3月号
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QDT Vol.49/2024 March page 028440タルを利用していかに正確に導き出し提供するかを考えながら作業している。 その診断の中に咬合診断というものがある。今回は、デジタルを活用して下顎位の変化をどのように確認しているのかを解説していきたいと思う。ただし、本稿で筆者が述べるのは、「デジタルを使用して下顎頭の適正な位置をどのように導き出すのか」という話ではなく、「デジタルを使用して下顎位の変化の確認をどのように行うのか」というテーマであることを、あらかじめご理解いただければと思う。重ねる”という意味をもつ、“スーパーインポーズ”と称することもあるが、本稿ではマッチングで統一する。 「切断面の確認」は、その言葉どおり、データを断面で輪切りにして、形態変化を確認したり、寸法を計測したりする際に行う作業のことである。上原芳樹/森 朋智ファイン:大阪府東大阪市高井田元町1-3-2 現在の歯科界におけるIOS(Intraoral Scanner)を始めとしたデジタルテクノロジー(以下、デジタル)の活用方法は多岐にわたり、補綴装置製作やアライナー矯正に使用する以外にも、歯科治療のあらゆる場面でその恩恵が見受けられる。そのなかでも、検査・診断の分野でデジタルを活用することに筆者は大きな利点を感じている。ここで注意しなければならないのは、筆者らはあくまで歯科技工士であるため診断を行うわけではないということである。日々の臨床においては、歯科医師が適正な診断を下すために欲する情報を、デジ デジタルの最大の強みは、「マッチング(Matching)」と「切断面の確認」が容易にできることである。これらは、基本的にアナログではできなかった作業である。 「マッチング」とはデータ同士を重ね合わせることをいう。“ひとつのものや事象を別のものや事象の上にはじめにデジタルとアナログの違いFeature article #2咬合検査・診断におけるIOS/デジタルの活用方法─下顎位の変化を確認する─

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