グレーズ処理形態修正表層陶材築盛インターナルステインフレーム調整・サンドブラスト補助的インターナルステイン陶材築盛0.4mmカットバック0.8mmカットバックQDT Vol.49/2024 April page 043969図1 今回と次回で形態修正を解説するが、形態修正を的確に効率良く行うには、目標となる天然歯を知る必要がある。今回は、筆者が普段、形態修正を行う際に着目しているポイントにフォーカスを当てて天然歯模型を観察し、特徴をまとめたいと思う。 上顎中切歯の唇側面を観察する。最大豊隆部となるコンタクトポイントの位置は近心が切縁寄りで高く、遠心が低い。ほぼすべての部位に当てはまる規則性だが、前歯部においてはコンタクトポイントの位置が歯冠形態に大きく影響するため、より重要なポイントだと考えている。唇側面と隣接面の移行部にあるラインアングルとよばれる稜線は、基本三形態2~6に大きく影響する。その中で筆者が意識しているのは、切縁付近のラインアングルである。このラインアングルは近遠心ともに歯冠の中央に向かうように走行する。そのラインアングル間を結ぶものが切縁であり、図に示してみると意外と短いのがわかる(図2)。 ここで前歯部の基本三形態であるovoid、square、taperingとコンタクトポイントの位置、切縁の長さの関係性についてまとめたい。片岡、西村は『ネイチャーズ・モルフォロジー』2において、コンタクトポイントの高さはovoid、square、taperingの順で切縁寄りに位置するとまとめている。切縁の長さは、ovoidが基本三形態の中でもっとも短く、square、taperingはほぼ同じ長さであると報告している(図3)。形態付与の際には隅角を調整するだけでなく、コンタクトポイントの位置をどのように設定するかが重要である。第4回 天然歯形態の観察上顎中切歯を観察する:唇側面観
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