QDT 2024年5月号
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Feature article #1 近年のCAD/CAM技術発展の波は歯科治療/技工に多大な影響を与えており、さまざまな治療分野で急速にデジタル技術の応用が始まっている。 有床義歯分野も例外でなく、とくに全部床義歯の技工では印象採得と顎間関係記録の後の工程は、ほぼデジタル上で完結できるまでに進んできている。 ただ一方で、ミリングマシンや3Dプリンターを使って最終義歯の出力まで行おうとするには、いまだに高額なモデルスキャナーやCADソフトウェア、CAM機器の購入などのハードルが高く、多くの歯科医院で導入されていないのではないだろうか。 対して、研究用模型をスキャンし、デジタル技術を応用して個人トレーを製作したり、口腔内スキャナーを用いて現義歯をスキャンし、コピーデンチャーを製作したりといった試みはすでに多くの歯科医師によって臨床応用されている。とくに、コピーデンチャーを容易かつ正確に製作できることは全部床義歯臨床や技工の省力化にも繋がるため、有用であると考えられる。今回われわれが解説する、歯科用コーンビームCTと無料のCADソフトウェアを用いたコピーデンチャー製作法は、義歯臨床のデジタル化のファーストステップとして導入しやすい方法だと考えられる。何より、*2歯科医師・医療法人社団ハイライフ 大阪梅田歯科医院/大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座 臨床准教授北海道札幌市清田区平岡7条3丁目18−121−1大阪府大阪市北区梅田2丁目6−20 パシフィックマークス西梅田2F*1歯科医師・やまなか歯科クリニック*1原嶋尊治 Takaharu Harashima/*2松田謙一 Kenichi Matsuda16QDT Vol.49/2024 May page 0508はじめに(松田)すぐに応用できる!歯科用CBCTを用いた製作のすすめコピーデンチャー

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