歯科用コーンビームCT(以下、CBCT)は多くの歯科医院がすでに保有しているため、ほぼ導入コストがかからない点が魅力である。また、使用しやすいCADソフトウェアを利用することで、単に正確なコピーデンチャーを製作することにとどまらず、3Dデータを編集することにより、さまざまな改変を容易に行えることも特徴である。 本法によるコピーデンチャー製作の流れを簡単に示すと、①歯科用CBCTを用いた現義歯のスキャニング、②DICOM(Digital Imaging and Communications in 現在販売されている一部の歯科用CBCTの中には、義歯スキャンの専用機能を備えているものもあるが(例:トロフィーパン エクセル3D NEO、トロフィー・すぐに応用できる! 歯科用CBCTを用いたコピーデンチャー製作のすすめMedicine、医療用画像とそれに関連する情報を保存・共有するための標準規格)データをSTLデータへ変更、③CADソフトウェア上でコピーデンチャーデータの編集、④CAMソフトウェアへのデータ移行、⑤3Dプリンターなどを用いた最終出力、というステップで行われることになる(図1)。ただし、CAMソフトウェアやプリンターは導入されている機器によって大きく操作方法などが異なるため、本記事ではとくに重要な①〜③のコピーデンチャーデータの作成までを解説したい。ラジオロジー・ジャパン、ヨシダ)、本稿ではそのような専用機能をもたないCT機器を使用して、義歯の3Dデータを効率的に取得する方法を解説したい。なお、ここで紹介する方法を適用できるCT機器の条件は、①撮影範囲がスキャン対象物より広いこと、②管電図1 本法によるコピーデンチャー製作の流れを示す。本記事ではとくに重要な①〜③のコピーデンチャーデータの作成までを解説する。①歯科用CBCTを用いた現義歯のスキャニング②DICOMデータをSTLデータへ変更③CADソフトウェア上でコピーデンチャーデータの編集④CAMソフトウェアへのデータ移行⑤3Dプリンターなどを用いた最終出力17QDT Vol.49/2024 May page 0509■本法によるコピーデンチャー製作の流れ1)対象となる歯科用CBCTと義歯1.歯科用CBCTを用いた現義歯のスキャニング
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