プラントなど)、といったさまざまな条件を網羅している研究は、筆者の知る限りでは今のところ存在しない。これらの条件を混同してしまうと、臨床的なエラーが起こることも考えられるため、それぞれの条件のエマージェンスプロファイルとエマージェンスアングルに対する考え方を整理し、理解しておく必要がある。 本稿では、現在発表されている前歯部審美インプラントにおけるエマージェンスプロファイルとエマージェンスアングルの文献を整理したうえで、筆者らの症例を供覧しつつ、前歯部審美インプラント治療達成のためのエマージェンスプロファイルとエマージェンスアングルを考察したい。36QDT Vol.49/2024 May page 0528 前歯部における審美インプラント治療を成功させるために重要な要素(図1)のひとつとして、サブジンジバルカントゥアの形態が挙げられる。また、インプラント周囲組織の状態とエマージェンスプロファイルやエマージェンスアングルといったアバットメント形態の関係は、インプラント周囲炎を予防するうえで重要な要素であると示唆されている1、2。 これまで、インプラントのアバットメント形態とインプラント周囲組織との関係性に関するさまざまな研究や臨床データが発表されてきてはいるものの、いまだ未知なことも多い。たとえば、臼歯部・前歯部、近遠心的・頬舌的な関係、そしてPST(Platform Switching Type:プラットフォームスイッチングタイプ)・Non-PST(エクスターナルタイプやバットジョイントタイプのインFeature article #2前歯部審美インプラント治療におけるエマージェンスプロファイルとエマージェンスアングル前編:文献から考察するエマージェンスプロファイルとエマージェンスアングルはじめに
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