QDT 2024年7月号
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 現在の歯科界においてはIntra Oral Scanner(以下、IOS)をはじめとしたデジタルテクノロジーの活用により歯科医師と歯科技工士との連携が密になり、その恩恵が見受けられる。その連携の中でも、アナログでは行えなかった作業である、データどうしを重ね合わせる「マッチング(Matching)」もしくは「スーパーインポーズ(Superimpose)」がデジタルの最大の強みである。 近年、インプラント支持型クラウンのProvisional Restoration(以下、PVR)の歯肉縁下形態を正確に再現する方法として、Intra and Extra-Oral Scanning(IEOS)テクニックが、IOSを使用する方法として報告されている1。 これにより、インプラント支持型クラウンの歯肉縁下形態やポンティック部が再現可能となるとともに、石膏模型を用いることがないため、製作時のシリコーン印象材の変形、石膏膨張などによる補綴装置の不適合の原因を減らすことができる2。 これを受け、今回紹介する「単独インプラント上部構造製作の新規光学印象採得法」では、①チェアタイムの短縮化、②光学印象時のエラーの回避、そして③ラボサイドによるアバットメントパーツの多選択化、について提示させていただく。*2歯科技工士・はちラボ*1宮園祥爾 Shoji Miyazono/*2平川雄太 Yuta Hirakawa*1歯科医師・福岡歯科大学咬合修復学講座冠橋義歯学分野18福岡県福岡市早良区田村2-15-1福岡県大野城市乙金東3-1-18QDT Vol.49/2024 July page 0734Feature article #1はじめに単独インプラント上部構造製作のための新規光学印象採得法の提案

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