ジルコニアで明度の選択(カットバック:0.2~0.6mm*)*SQINの場合色調をインターナルステインで表現陶材により立体的な色調の表現形態の微調整および表面性状の付与図1 ジルコニアフレームを用いた場合のマイクロレイヤリングテクニックの製作ステップ。ジルコニアフレームの唇側を薄い層(SQINを使用する場合のメーカーの推奨は約0.2~0.6mm)でカットバックし、フレームをステインで色調調整したうえで、陶材を築盛する。Step2多層築盛と比較して・ 口蓋部および切縁部のジルコニアフレームを露出さ・ 切縁・隣接コンタクト・口蓋側の形態を、CADで設計したフレームとして残すことで、その後の築盛を容易に行うことが可能・築盛工程を大幅に減らして製作時間の短縮が可能・ 築盛量が極めて少ないため、焼成後の収縮(ひかれ) マイクロレイヤリングテクニックは、モノリシックの強度とレイヤリングの審美性を両立する新しいセラミック修復のコンセプトといえる。また、ジルコニアフレームを使用する場合、CAD/CAMとの親和性も非常に高く、時代に合ったテクニックであると考える。33QDT Vol.49/2024 July page 0749Step1ジルコニアフレームの選択インターナルステインモノリシックの強度とレイヤリングの審美性を両立するセラミック修復のコンセプトStep3陶材築盛Step4形態修正筆者の考えるマイクロレイヤリングテクニックのメリット■マイクロレイヤリングの製作ステップ マイクロレイヤリングテクニックは、ジルコニアフレームや二ケイ酸リチウムガラスセラミックフレームの唇側を薄い層(SQINを使用する場合のメーカーの推奨は約0.2~0.6mm)でカットバックし、フレーム内部にステインで色調調整したうえで、陶材を築盛する製作法である(図1)。 筆者が実際にマイクロレイヤリングテクニックで製作して、モノリシッククラウン、多層築盛と比較してそれぞれメリットと感じている点は以下になる。モノリシックと比較して・ 陶材を一層築盛することで、透明感の表現や、細かな形態・表面性状・質感の付与が可能・立体的な色調表現が可能せることで、強度の確保が可能が少なく、修正が容易
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