QDT 2024年7月号

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＊デンチュリスト（denturist）：義歯治療士。義歯など可撤式補綴装置の提供、メインテナンス、リペアが可能な専門職。デンチャークリニック内での直接の患者対応（初診から装着まで）をはじめ、 歯科医院から紹介を受けての義歯製作、老人ホームにおける訪問歯科診療など、問診から口腔内検査・義歯診断、治療計画立案・設計・製作、最終義歯の装着と調整、術後の定期検診を行う義歯の専門家。58い、歯科医療従事者には作業効率や製作効率の向上、エンドユーザーへは総診療時間の短縮による時間的利益をもたらすツールとして有効活用されていくであろう。その効率の相乗効果により、エンドユーザーが快適に生活を営むサポートアイテムとしての補綴装置の品質も向上していくであろう。しかし、現存のデジタル機器はアナログ方式（従来法）で行われてきた診療・製作の一部をデジタル方式に置換しただけにすぎず（図2）、従来法で培った技術や経験、先人たちが残した学説や理論は今後、歯科業界のデジBioFORe～Bio Functional Oral Reconstruction～Effective procedures for partially edentulous cases竹内真人デンチュリスト＊Masato Takeuchi, R.D.DenturistOak Bay DENTURE Clinic1935 Lee Avenue, Victoria British Columbia, Canadamas.dentures@gmail.comQDT Vol.49/2024 July page 0774本連載では歯科のデジタル化をふまえ、歯科医師・歯科技工士双方の仕事を担うデンチュリストという義歯の専門職の立場から、新たな義歯製作法「BioFORe」を紹介する。キーワード：BioFORe、粘膜被圧変位量、咬合再構築、口腔周囲筋、アイヒナーの分類　昨今、歯科界におけるデジタル化の波が及ぼす影響力は衰える兆しを見せない。それどころか追い風を受け、ますます勢いが増加していくことへの警鐘を鳴らす方々もおられると耳にする。デジタル化が発展していくなかで、歯科医師・歯科技工士が今まで有していた指先の感覚、模型に触れたときの感覚や、印象や模型の表面性状の目視力が損なわれていくことなどが懸念されることではないであろうか（図1）。　歯科業務のデジタル化やデジタル機器の導入にともな連載連載予定1．デンチュリストの臨床的視点（第1回）2．BioFORe─誕生の背景とその理由─（第1回）3．BioFORe─定義とコンセプト─（第2回）4．BioFORe─製作手順─（第2回・第3回）5．BioFORe─臨床ケース─（第3回）6．BioFORe─デジタル技法─（第4回）～生体機能的口腔再構築～部分欠損症例への機能的かつ効果的技法第1回　シンプルな部分床義歯製作法「BioFORe」はどのように誕生したのか？BioFORe