QDT 2024年7月号
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 1991年、本誌1、2月号で山本 眞氏による「特別企画 明度に焦点をあてた新しいメタル・セラミックス色調表現 天然歯色調表現上の新しい色調概念とバリュー・コンバージョン・システムについて」1が掲載された。その内容は非常に斬新で、同じく山本氏によって1989年に執筆された「特別論文 オパール陶材の出現と相対屈折率を考えた新築盛法の創出 オパール効果をもつ新ポーセレンとその効果的応用法」2とともに、世界のメタルセラミック用陶材の価値を明らかに変えた。後者については、その後、山本氏が開発に携わった松風以外の陶材メーカーも、追随してオパール陶材を開発・販売していくことになる。 山本氏の哲学は、当時27歳だった筆者に非常に大きな衝撃を与えた。容易に読解できる内容ではなかったが、何度も読み込み、理解できるよう努力した記憶がある。筆者は山本氏の論文を読むことで、天然歯に明度という概念が存在することを知ることになる。当時の筆者にとって、彩oral design 彩雲/東京都世田谷区上北沢4-15-2 KTスクエアビル3F64小田中康裕QDT Vol.49/2024 July page 0780連載をはじめるにあたって連載第1回 筆者が長年抱えてきた明度に対する疑問歯科における「明度」の再考

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